2012年11月02日

再受験体験記C -2010年5〜7月-

2010年 5〜7月

■再受験の検討開始
私は2010年の5月頃に医学部受験という事を考え始めた。そして実際に勉強を始めたのは2010年の7月末頃であった。受験を考え始めた時に最初に考えたのは、自分は医学部に合格できるのか、医者になる能力があるのかということである。ちなみにここで言う医者になる能力というのは、学力的な部分の話であって、人間性や性格などは度外視している。自分自身、そこについては多くの不安や懸念点があるのだけれど、ここでは関係ない話になってしまうので、あくまでも試験を突破するという観点からこの体験記を書いていくという事をご理解いただきたい。


■再受験検討時の自分
私は以前の自己紹介でも書いたが、2流私立大学の理工学部に1浪の末入った。現在の河合塾の偏差値で言うとボーダーが57.5〜60.0くらいの所である。ちなみに理科は1科目である。現在は学部再編の影響などで私が受けた頃とは名前が変わっていたりするが、概ねレベルは変わっていないと思う。
河合塾基準では、国公立の医学部のボーダーは、最低でも62.5以上である。ただ、大半はボーダー65以上だし、ある程度大学の選択肢を持つならば70は欲しい所であろう。そして当然ながら理科は2科目である。ともかく私は、かつて自分が受験生であった当時と比べ偏差値的に10程度は軽く伸ばさないといけない状況であった。受験生であったときよりも現時点での学力が高いと言うことはあり得ない。この事実だけを見るとかなり無謀なようにも感じられる。
だが、私は自分の能力的な問題はないだろうと楽観的に考えていた。その根拠は大きく分けると二つである。


■自分と他人の比較
一つ目は自分と周りにいる(いた)人との比較である。以前に書いた通り、医学部に合格するためには少なくとも理系の受験生全体の上位数%に入る学力が必要である。その範囲に入るために、何か特別な才能が必要だとは思わないが、勉強が得意であることに越したことはない。
私の進学した地方国立医学部ですら、全国的に有名な進学校出身者が予想以上にたくさんいる。彼らは日本の教育システムにおけるエリート達であり、国立医学部はそういう人が進む場所なのだと思わされる。

人には当然のことながら勉強に対する向き不向きがある。だから自分がテストで点を取る能力がそもそも生まれつき高いかどうかということを過去の人生から見て推測することは大事である。
私は義務教育の間は普通の公立の小中に通っていたが、その時は間違いなく優等生であった。義務教育の時代に成績を左右するのは、ほとんど生まれつきの知能というか学習能力ではないかと思う。私は義務教育の間、高校受験の直前の1年くらいしか塾に通っていなかったが、小学校・中学校と常に大半の塾に通っている同級生よりも良い成績をキープできていた。1学年100人弱の中で上位数人に入っているということから、自分の本質的な能力は医学部合格圏の上位数%に入れるくらいはあるのではないかという風に大まかに考えた。非常にざっくりした見積もりではあるが。

また、中学校の同級生に医者になった人が一人だけいた。その同級生は医者の息子で、2浪の末、私大の医学部を出て医者になっていると聞いていた。彼が高校以降にどれほど努力をしたのかは分からない。もちろんかなり勉強をしたのだろうと思う。だが、少なくとも中学校時代を比較すれば私は彼よりも遙かに成績は良かった。彼は成績で言えば真ん中から少し上くらいの所であったと思う。大変失礼な書き方になるが、そんな彼でも医者になれる(あくまでも学力という観点から見て)のだから、私にもなれないはずがないと考えた。これまた非常に短絡的な発想ではあるが、今のところ間違っていなかったかなと思っている。


■過去の自分と今の自分の比較
二つ目の理由は過去の受験生の時の自分と今の自分との違いである。直前に書いたことを完全に否定するようだが、かつての受験の際、私が医学部に合格できたかといえば間違いなく否である。一つ一つの科目で見ても、医学部レベルに到達していた科目は恐らくないだろう。特に数学はかなり厳しい成績であった。しかし、再受験をするにあたって、私は過去の受験時よりずっと数学が出来るようになっているはずだと思っていた。大学時代に大学レベルの数学をきちんと勉強し、家庭教師や塾講師を通して人に高校数学を教える過程で、自分自身の高校数学に対する理解度が高まったと感じていたためである。特に自分が苦手だった抽象的な問題に対して、今ならもっと食いつけるのではないかという感覚が自分の中にはあった。

物理に関しても同様に理解力は上がっていると見積もっていた。こちらも、大学での勉強や研究を通じ、物理現象の理解力が上がっているはずだと考えたからである。この感覚は恐らく正しく、勉強を始めた後に気づいたのであるが、物理に関する理解度がかなり上がっていたため、再受験にあたって不安な科目だった化学にも対応しやすくなっていた。化学においても電子のふるまいや、気体など、物理を理解していると理解が容易になる部分は非常に多いものである。物理の理解が化学の理解も助けたのである。

以前に受験生をしていた時には、数学や物理だけでなく全ての科目で、自分の中のある一定のライン(偏差値)に突破できない壁があると感じていた。その壁は恐らく大半の人にあって、人それぞれラインは異なり、またその壁を越えるきっかけもそれぞれである。私はその壁をかつての受験生の時には突破出来ず、結果として2流の私大に収まることになった。しかしながら、医学部への合格を目指すのであれば、以前は乗り越えられなかったその壁を突破しなければいけない。最終的に全ての科目でその壁を突破することが出来たからこそ、私は再受験に成功することが出来たのだと思う。私はその壁を突破するための素養を、大学生や社会人経験を通じて、身につけていたのだ。そして、壁を突破出来るという感覚が少なからずあったからこそ、医学部再受験を実施することを決めたのである。

大卒や大学在学中の再受験生は、かつての受験の頃の自分と今の自分がどう違うのかという事をよく考える必要があるように思う。特に私のように、以前通っていた大学のレベルが低いほど、その見積もりは重要だ。またかつて必死に勉強したという自負がある場合も同じく重要である。かつて必死に勉強するだけでは乗り越えられなかった壁が、今乗り越えられる理由があるのか?この答えが明確になっていなければ、再度の受験勉強でも同じ壁が立ちはだかる可能性が高いのではないだろうか。

自分の話に戻ると、社会人経験は自分の物事への取り組み方を大きく変えた。闇雲に勉強していた高校生や浪人生の時と違って、はるかに計画的に勉強出来るだろうと思った。複数の仕事を同時並行で進めることが求められる中で、以前に比べ全体を見通す事が出来るようになったし、複数の事を同時に進める能力が高まっていると感じていた。
以上のようなことから、医学部再受験に当たって高校の内容を再び身につける事は以前よりも遙かに容易であろうと考えた。

そして最も大きな根拠となるのは、過去の受験時と再受験を考え始めた時の受験に対するモチベーションの違いである。過去の受験の時も、もちろん自分で将来自分が何をやりたいのか考え進路を選択したつもりではあった。しかしながら、今思うと勉強にはそんなに身が入らなかったのである。事実1浪したにも関わらず2流私大にしか受かっていない。

その理由は、今思うと、大学に行きたいというよりも、行かなければならないと思って受験をしていたからだと思う。今になって振り返れば、進路を選ぶにあたってもっともっと色んな選択肢を考えるべきだったと思うし、それは大学に行くか行かないかというレベルから考えるべきものであった。自分がどんな人間で、何が好きで、将来どういう人間になりたいのか。大げさに言えばそういったことからまず考え始めるべきだったように思う。

だが、高校生の時の私は、周囲に流され、周りの考え方に知らず知らずのうちに従ってしまっていた。もちろん誰かに受験を強要された訳ではないが、それまで生きてきたなかで、自分自身がそういう考えを自分自身に強制するようになっていたのだと思う。かつて積極的に選んだつもりの進路はどこか消極的な部分をもった選択だったのだ。

だが、今回は違う。私は強く医者になりたいと思っている。この感覚は自分の中からあふれ出るような感覚であり、そしてこれほどまでに積極的な感覚というのは自分自身これまで感じたことのないものだった。だから、以前よりも自分自身を勉強に追い込むことが出来ると確信していた。事実、この感覚の違いは勉強への取り組み方に大きな違いをもたらすことになる。もう少し後の事になるが、受験勉強が出来ない事をストレスと感じるようになった。全く人はこうも変わるものかと自分自身驚いたものである。

以上のような事を私は自分が医学部受験を突破出来る根拠として考えた。なんだこんなものかと思った方もいるかもしれない。しかし、自分なりの根拠としては十分だった。学習を効率的に実施するために最も必要なモノは、自分が学習したいと思っている事柄を、自分が身につける事が出来るはずという自信を持つことだそうだ。もちろん受験勉強をするなかで不安に苛まれることは多々あるが、私はそのたびに自分が医学部に合格出来るはずという感覚に立ち戻ることにしていた。そして、その自分なりの根拠があったからこそ、最後まで勉強をし続ける事が出来たのである。


■ まとめ
自分の過去を振り返り、自分自身の受験勉強に対する素養を考えた。
過去の受験時から自分がどれほど成長しているかを考えた。各科目への理解度の向上、計画性や全体を俯瞰する能力の向上、モチベーション、以上の理由から十分に医学部受験を突破できると判断した。


■おまけ
自分の能力を客観的に測る一つの方法として、自分のIQを測ってみることをお勧めしたい。
iqtest.dkなどインターネットで簡単にIQテストをやってみることが出来る。あくまでも目安的なモノとして参考程度にやってみると良いと思う。ちなみにここに貼ったサイトではIQ115以上であれば、キャリアの選択に制限はないと記載されている。
私も受験勉強をやりはじめてからやってみた。結果は126であった。前に何かの機会に同じようなモノをやったときも130くらいの数値は出ていたような気がするので概ね似たような数値が出るのかなと思っている。あくまで参考であるし、あまりにも低い人以外は気にしなくていいのではないかと思うが、すぐ出来るのでやってみては如何だろうか。

適当にグーグルで検索してみると、医者のIQは主な職業別で最も高い範囲に分布しているようである。職業別IQ
もちろんIQが高いだけではダメなのだが、必要条件にはなるのかもしれない。

posted by ヒル at 16:32| Comment(4) | TrackBack(0) | 再受験体験記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。20代再受験生です。
今年の夏に会社を退職しました。
ブログいつも拝見させて頂いています。

ご自分をかなり客観視されていて、すごいですね。参考になります。
私もIQテストしてみましたが118でした。
ギリギリ医者目指してもいいんでしょうかね。

さて、数学に関して質問がございます。
ヒルさんは今の時期から、センターと2次について、
どのような割合で勉強されていましたか?

私は現役の時から数学が一番の苦手科目でして、
模試でもいつも数学が足を引っ張っています。
できればセンター逃げ切りの大学をと考えているのですが、
これからの参考にさせて頂きたくご教示頂けると幸いです。
Posted by シナモン at 2012年11月02日 21:58
>シナモンさん

はじめまして。
コメントありがとうございます。

IQに関しては著しく低くない限り、気にしなくていいと思いますよ。特に根拠はないですがw

数学の件ですが、私は今の時期(昨年の11月頃)はセンター:2次の比率でいうと1:9くらいの時間の使いかただったように思います。

センター数学に関しては9月のマーク模試までである程度目処がついたと考えていたので、そこからは2次対策中心になりました。

年内いっぱいは2次対策をするつもりでしたが、駿台センタープレで失敗して、センターが不安になり始め、予定を前倒しして12月の後半からセンター対策に入りました。
結局センター数学は失敗してしまったので、これでよかったのかは分かりませんが。

現時点でセンターレベルの数学に不安があるのであれば、早い段階である程度目処をつけてしまいたところですね。
Posted by ヒル at 2012年11月02日 23:01
さっそくのレス、ありがとうございます。

1:9ですか。
やはりセンター取れないと話にならないので、
自分は早めにセンターの割合を増やそうと思います。
12月はセンターオンリーになるのも致し方ないかもしれません。

1Aは何とかなりそうですが、
2Bは現状では80点とれればかなり御の字です。

9月の模試で2Bがようやく80に届きましたが、
正直これ以上伸びる気がしませんw
時間足りないんでよね。。。

ご回答ありがとうございました。
Posted by シナモン at 2012年11月02日 23:39
>シナモンさん

模試は本番より多少難しい場合もあるので、本番なら時間が足りるかもしれません。

きちんと内容が理解出来ていて、時間が足りないのであれば、あとは練習あるのみですね。

センターでうまくいけば精神的にも多少楽が出来ますので、是非頑張ってください。
Posted by ヒル at 2012年11月04日 21:37
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/300061659

この記事へのトラックバック